第43回(令和6年度)全国社会福祉法人経営者大会に参加

2024年8月29日(木)30日(金)神奈川県横浜市で開催された、第43回全国社会福祉法人経営者大会に参加してきました。
大会の詳細についてはこちらのウェブページにて。全国の社会福祉法人が集まる全国社会福祉法人経営者協議会が主催する大会です。
 

■ 基調報告

基調報告は、社会福祉法人をめぐる動向と全国経営協の取り組みとして、全国社会福祉法人経営者協議会会長の磯彰格氏が講演されましたが、「人を育てるのではなく、人が育つ環境を整える」という言葉は、まさにその通りと感じました。
経営協ドックについても紹介がありました。
 

■ 特別講演

特別講演は、福祉と被災者支援の連続性として、大阪公立大学大学院文学研究科准教授 菅野拓氏の講演
平時・災害時の被災者支援にかかわる法律と財・サービス供給の担い手のあるべき姿について興味深く大変勉強になりました。
 

■ 分科会

代表は第3分科会、私は第2分科会に参加
第2分科会では社会福祉法人経営実践事例集2024に掲載ある各法人の取り組みが紹介されました。
こちらのページから、全ての事例について見ることができます。
 
いくつかの事例を紹介させていただきますと、
 

公共交通×福祉で地域課題解決 社会福祉法人ながよ光彩会(長崎県)

社会福祉法人がJR九州の無人駅の一部管理を行うという地域貢献活動の事例。地域のみんなのための「まちのリビング」としての、みんなのまなびば「み館」も経営しています。
発表でもこちらの動画が流されましたが、こちらを見ていただくとわかりやすいです。
 

地域の高等学校との福祉教育に関した連携活動について 社会福祉法人よいち福祉会(北海道)

全校生徒数84名の北海道余市紅志高等学校(総合学科)との連携についてお話しされましたが、高校生の意識が変わってく様子が素晴らしいです。
全校生徒数や総合学科ということからも、境遇が飛騨市神岡町にある飛騨神岡高等学校に似ていますし、こんなにも、社会福祉法人と学校が連携できるんだと驚きました。
 

イキイキチャレンジ活動~みんなに優しい排泄ケア~ 社会福祉法人光友会(神奈川県)

発表者の光友会が行うイキイキチャレンジ活動とは「職員の働き方などを見直し、働きやすい職場環境、より質の高い福祉サービスを提供すること」を目的とし、改善活動には法人の全職員が参加。今年で10年目とのこと。
今回は、その中で選ばれた「みんなに優しい排泄ケア」についての発表でした。
6月に視察に行った愛知県にある社会福祉法人フラワー園もそうでしたが、法人内の事例や取り組み発表を行う仕組みがあるということは良いですね。こちらは共創福祉ひだでも取り組んでいきたいと考えています。
 

天竜厚生会における管理会計実践事例 社会福祉法人天竜厚生会(静岡県)

天竜厚生会は従業員2400名で、収入規模が14,571,942,921円と百億超えの巨大な法人ですね。経営戦略会議を行い管理会計を導入されています。
今回の発表ではBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)の紹介がありました。当法人の社員法人でも、このような見える化ができると良いなぁと思います。
 

適正利益確保と地域づくりへ再投下の好循環経営 社会福祉法人福知山学園(京都府)

毎年、利益を10%超え確保し、それを積立てながら資金を増やし、地域へ再投下しているということで、まさに社会福祉法人の責務を踏まえた好循環な経営を行っており、大変参考になりました。
限られた時間の発表ではすべてを聞くことはできませんが、今後とも参考にさせていただきたいと思います。
 

ICT導入による社会福祉事業の業務改善と質の向上 社会福祉法人みなみ福祉会(愛知県)

今回、社会福祉連携推進法人共創福祉ひだがパネルディスカッションに参加することになり、昨年の大会のことを調べているなかで、分科会で発表された内容が興味深かったので、本も購入し読ませていただいた上で今回の発表に臨みましたw
今回の発表はGoogleスプレッドシートを活用されたエラー監視システムでした。ひとつひとつチェックする関数をいれることになるので、複雑にならないかなぁと思いましたが、これ以外の方法やツールも思いつきません。それと、他の法人で(特に保育園で)どうやって再現するのか興味があります。
みなみ福祉会様のICTの取り組みは勉強になりますので、これからも参考にさせていただきたいと思います。
ちなみに本はこちら。
 
 

ICTの力で変わる介護現場 効率化と職員満足度向上への道 社会福祉法人敬友会(岡山県)

介護記録をデジタル化することで、記録時間83%減、残業時間84%減を達成したとのこと。それにより利用者に関わる別の業務を行うことができたと発表ありました。紙からデジタルへ突き詰めていくと、時間が削減できる好例だと思います。
 

ご家族も一緒にDX推進!~残業時間95%CUT!~ 社会福祉法人青谷学園(京都府)

週休3日を実現させていらっしゃるんですね、びっくりしました。年間休日173日とか。
以前、夜勤の配置を考えるときに10時間勤務の4日。つまり週休3日を検討しましたが、アイデア止まりで実現はしませんでしたが、時代は進んでますね。
凄いなぁと思ったのは、ご家族との契約にAdobesignを利用した電子契約を利用していること。ご家族の理解もあってできることだとは思いますが、素晴らしいですね。
 

■ パネルディスカッション

変わらないために変わり続ける ~これからの法人経営を考える

パネリストは、
  • 社会福祉法人奥州いさわ会 理事長 藤田春芳 氏
  • 社会福祉連携推進法人共創福祉ひだ 代表理事 橋本正人
  • 全国社会福祉法人経営者協議会 副会長 谷村誠 氏
コーディネーターに早稲田大学人間科学学術院教授 松原由美 氏を迎えて、社会福祉法人のこれからについて議論されました。
こちらに、社会福祉連携推進法人の取り組みとして私共共創福祉ひだを呼んでいただき、代表理事の発表となりました。
なにぶん、できて1年と少しの法人ですので、まだまだ成果が上がっているものではありませんが、行政(飛騨市)と一緒になった取り組みは参考になるところもあるのではないかと思います。
 

■ 記念講演

真に優れたローカルブランドをめざす。と題して、株式会社崎陽軒代表取締役社長の野並晃氏の対話式講演会でした。
言うまでもなく横浜といえば崎陽軒のシューマイです。おいしい。
地域におけるブランド力を醸成するにはどうすれば良いか。有益な情報となりました。
 

■ まとめ

社会福祉法人としての地域貢献活動や、各法人の最先端の取り組みを学ぶことができました。社会福祉連携推進法人としてもまだまだたくさんできることがあるなぁと感じましたし、いろいろなアイデアが浮かびました。
今回たまたま随行として参加させてもらいましたが、実践事例集などの資料を読むだけではわからないことが非常に多く、実際の発表を聞くことが非常に有効だと思いました。